手にしたお金で、自分はどう生きたいのか? 08-国や親に頼らない

2018年05月23日 夕方公開終了

文=大原扁理

低収入生活をしていると、納める税金が少なくなるし、どちらかというと使う局面のほうが多いですから、とかく自尊心を保つのが難しく、自分を卑下しがちになります。
「自分なんて生きてる価値ないんじゃないか」という気持ちになることって、よくありますよね。

でも私は低収入でも自尊心を保ち、明るく生きていくことは大事なことだと思います。

私が東京で暮らした六年間で、それを可能にしたのは、国や親に頼らなかったということでした。

少ないながらも自分で稼いだお金でご飯を食べ、自分で稼いだお金で遊ぶ。

こんな単純なことですが、同じ七万円でひと月生活するのでも、人からもらった七万円ではなく、自分の手で稼いだ七万円だということが、確実に明るい低収入生活の支えになっていました。

経済的に自立して生きることで得られる自尊心は、お金では買えないありがたいものです。

私が子どものころに戻りたいと一瞬も思わない理由は、全部を自分で決める緊張感があるほうが好きだからです。親に食わせてもらってるうちは、働かなくてもいいかもしれないけど、その代わり親が認めるだけの自由しか与えられません。何を買うか、どこに住むか、誰と付き合うか、そういったことを親とはいえ他人に干渉されるのは窮屈だし、今のほうがよっぽど自由で楽しく生きています。

国や親に頼らないのが偉いとか当たり前とか、頭ごなしのことを言いたいわけではないし、絶対に頼ってはいけないということでもありません。

ただ、自立することで自分の生活を額面以上の価値あるものにできるなら、やらない手はないと思います。あの満足感やありがたみは、人からもらったお金で生きていたら味わえない。だから、あくまで自分のためにそうしてよかったなあ、という話です。

いますぐ完璧にやらなくてもいいんです。いま置かれた環境で、自分でできることは何か考えること。それをひとつずつ増やしていくこと。低収入でも自尊心を失わず明るく生きていくために、このことを覚えておいて損はないと思います。

大原扁理(おおはら・へんり)

1985年愛知県生まれ。25歳から東京で週休5日の隠居生活を始め、年収100万円以下で6年間暮らす。現在は台湾に移住し、海外でも隠居生活ができるのか実験中。本連載を大幅加筆・修正した最新刊は、7月3日発売。既刊に 『20代で隠居 週休5日の快適生活』『年収90万円で東京ハッピーライフ』

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  4. 親からの自立は楽しくて気持ちいい!
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